• わたしたちは、埼玉県内を中心に活動する、まちづくりの専門家集団・特定非営利活動法人「つくたま」です。

    2023年5月24-25日に、つくたま研修旅行として、金山杉で有名な山形県金山町を訪問しました。以下にその概要を報告します。

    2022年6月のつくたま塾で、片山和俊さん(東京藝術大学名誉教授)から金山町での長年にわたる街並みづくりの話を聞き、是非現地を見ようということになりました。

    *つくたま塾「山形県金山『街並みづくり100年計画』の報告 参照

    年が明けて本年5月、片山さんにも同道願い、つくたまメンバー5人で杉の美林に囲まれた金山町を訪問しました。現地では、片山さんと元金山町職員の西田徹さん、および金山町環境整備課建設・景観係の松田さん、柴田さんの案内で、金山町の美しい景観と、40年にわたり積み重ねられてきた街並みづくりの実績を見て回りました。

    また、金山町森林組合、町家のリノベに取り組んでいる事業者、金山住宅として住宅を新築したお宅などを訪問し、町の方々からも話を聞くことができ、大変有意義な研修旅行となりました。

     

    特に印象に残ったことは以下のとおりです。

    〇歴代町長から受け継がれてきた町政全体として、町民も含めて景観づくりに取り組んでいることが感じられました。

    〇そのため、比較的緩やかなルールのもとで金山町らしい住宅が建設されていて、統一感のある街並みが維持、形成されていました。これは町の中心部だけでなく、周辺の農村部でも同様です。

    〇町全体が南に向かって緩やかな傾斜しており、金山川から取り入れられたきれいな水が流れ、「水と緑の小径ネットワーク」をつくっています。これが町の環境、景観の基盤となっているように感じました。

    〇本物の杉林の美しさを再認識しました。町を取り囲んで金山杉の美林が維持されていますが、林業としては、作業の機械化・IT化や人材確保などさまざまな課題があるとのことです。

    〇一方で、町の人口は減少しつつあり、町内には町民の就業機会が少なく、周辺山間部の限界集落の問題など、社会経済的には多くの問題を抱えているとのことでした。私たちが見学している間でも、町中での人や車の往来はあまりありませんでした(私たちのまちの方が騒がしすぎるのかもしれませんが)。私たちが泊まったところも山裾のスキー場のホテルで、町中には宿泊施設がありません。

     

    それでも、町としての住む価値および訪れる価値を高める取組みが様々なされており、私たちとしても、また訪れたいと感じる町でした。

    片山さん、西田さん、金山町役場と町の皆さま、大変ありがとうございました。


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