9月つくたま塾「首都圏レベルと地区レベルの視点から考えるさいたま市の防災」の報告

つくたま塾 2016年9月30dsc_1581日 19時~21時00分の記録

◎講師:中村仁さん(芝浦工業大学・教授)

◎参加者:7名

◎場所:さいたま市生涯学習総合センター 第1学習室

◎タイトル:「首都圏レベルと地区レベルの視点から考えるさいたま市の防災

つくたま塾まとめ(PDFファイル、570KB)

dsc_1578◎中村先生のご講義について
・先生のお話は防災に関する国や市等の行政計画への言及が多く踏まれていたので、まとめ方に当たってはそれぞれの計画にある印象的な図表等の紹介を心掛けた。
・防災の視点は総合的である。歴史や自然の条件、市民・地域・行政の関係、平常時と災害時そして復旧・復興の時系列などの様々な視点が織り込まれて防災への考え方、計画へとつながっている。しかし、学問分野や行政的な取り組みがそうした総合的なものであるかは別である。その点を先生は、関係する人々に関心を持ち、深めてもらうイメージトレーニングの大切さ、そして、河川行政と都市計画行政を反映する地区計画制度の可能性など横断的な視点で研究領域を考えている。
・ご講義のまとめに当たっては、講義で触れたトピック的な事柄を追いながら、受講者である筆者(若林祥文)の責任でまとめてみた。

◎現行の防災計画の体系を首都圏、市のレベルで整理する。dsc_1592
○首都圏広域地方計画 対流がもたらす活力社会の構築 2016年3月公表
「現在、首都圏を取り巻く状況は大きく変貌しようとしており、この概ね2025年までの計画期間は、首都圏の将来を決する「運命の10年」とも言えるような極めて重要な10年間である。」「第三に、切迫する巨大災害への備えを万全なものとしなければならない10年ということである。首都直下地震が今後30年以内に発生する確率は70%程度と予測されており、計画期間内に首都直下地震が発生する可能性もある。」

○さいたま市は首dsc_1600都圏の中でも重要な位置にある。
「東北圏・北陸圏・北海道連結首都圏対流拠点」の舞台となるさいたま市は、比較的地盤の安定している大宮台地の上に、多数の国の機関、大規模な医療施設及び東日本大震災の際に被災地からの避難者を受け入れたさいたまスーパーアリーナ等の施設が集積している。加えて、荒川の河川敷を活用した緊急河川敷道路を介し東京湾との間に発災後速やかに輸送ルートを確立することが可能であることから、東北、北陸の玄関口として、首都直下地震の際の様々なオペレーションを支える北部方面の最前線基地として機能していくことが期待できる。

○さいたま市災害に強いまちづくり計画【改訂版2013】
・市民、地域、行政との役割分担:自助・共助・公助
・災害に強いまちづくりを目指すための5つの重点対策
*各段階ではそれぞれ特有の課題、目標がある。

*さいたま市も決して安全なわけではない。
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*さいたま市の計画には、東日本大震災の経験を活かした危機意識が出ている。分析結果、データの公表など、素直に公表している。反面、住民にボールを投げた段階でもある。
・市は防火地域を住居系用途地域に拡大している。
・市は防災対策に力を入れる19地区の公表。市は問題点を住民に提示して、今後の対応を住民の発意で展開していくことを考えているようだ。

〇さいたま市防災(も)都市づくり計画
「も」に込めた東京大学・加藤高明教授の思い:防災も都市計画。

市長の挨拶文から、
「この計画の特徴は大きく3点ございます。1点目は、防災に関する計画ではありますが、
防災だけの視点で進めるのではなく、利便性や快適性も備えた安全で住みやすい都市にし
ていくため、防災”も”含めた総合的な都市づくりを目指すこと、2点目は、東日本大震災
などの教訓を踏まえまして、事前だけではなく復旧や復興も含めた3つの視点から対策に
取り組んでいくこと、3点目は、データを活用して課題の抽出や解決を図るシティスタッ
トの手法を導入し、情報について積極的にオープン化・見える化を進めることです。」

〇まとめ
復興=原状回復+α αのイメージ共有が大事であり、都市計画本来の目的ではないかとの指摘があった。
イメージトレーニングは埼玉県が推進しており、現在、県内の自治体の多くが取り組んでいるが、各実施された場所で継続的な取り組みが少なく、ほとんど単発で終わっているらしいことが残念だ。

●滋賀県の流域治水の推進に関する条例:地先の安全度マップに注目

・ハザードマップは大河川などの氾濫を想定しているのに対して、この地先の安全度マップでは中小河川、用水路などの氾濫も想定している。
・中村先生は地区レベルの総合的な計画について研究されているので、滋賀県下での取り組みに注目している。彦根東地区の地区計画では浸水対策も考えた内容になっているが、真正面からの取り組みではない。地区単位で総合化した対策をしていく上で、地区計画は重要な役割を持つと考える。この点を研究されている。


※つくたま塾で紹介された各種計画など

首都圏広域地方計画2016
http://www.ktr.mlit.go.jp/chiiki/index00000003.html

さいたま市地域防災計画
http://www.city.saitama.jp/001/011/015/003/001/index.html

防災白書 内閣府
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/

さいたま市防災都市づくり計画
都市計画マスタープランに基づく計画。
http://www.city.saitama.jp/001/011/015/009/001/p032352.html

今年決定したばかりの、さいたま市準防火地域の拡大。来年施行。
http://www.city.saitama.jp/001/010/014/001/p044434.html

復興イメージトレーニング
https://www.pref.saitama.lg.jp/a1102/toshihukkou/toshihukkou-imetore.html

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