つくたま塾「ウルトラCの区画整理〜上尾、東松戸等から学んだこと」の報告

◎日時:2021年1月26日(火)19:00~21:00

◎講師:
作山康さん(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科教授・都市づくりNPOさいたま 理事)

◎参加者:12名

◎場所:オンライン開催

◎タイトル:「ウルトラCの区画整理〜上尾、東松戸等から学んだこと」

つくたま塾 オンライン講座「ウルトラCの区画整理」に参加して考えたこと

本日の講師で作山康芝浦工業大学教授は、芝浦工大を卒業後、老舗の都市計画事務所で都市計画プランナーとして全国的に活躍していた。事務所の特徴は、国などが進める施策の事前検討調査やいくつかの自治体との長い付き合いをしながら、住みよい、快適なまちづくりの実現に知恵を出し、成果を出してきた。氏はこれまでに新潟県の南魚沼市小出地区、台東区、北九州市門司駅周辺地区、地元の戸田市などで計画作りからストリートファーニチャア、小さな橋梁などの設計まで行ってきた。現在は大学に籍を置き、学生たちが実地経験を積み重ねていく実践的な授業を行っている。当日、話されなかったので追記したいことに、東日本大震災の被災地の復興活動では岩手県大船渡市越喜来地区で、上尾市原市団地で高齢者が住みやすい団地生活の支援的取り組みを学生たちと継続して行っている。

〇当日の講座では、前半でこれまで関わった区画整理事業について何故ウルトラCなのかを解説し、後半ではつくたまが業務受託をしている上尾市大谷北部第4区画整理事業での公園づくりの事例について解説した。このプロジェクトには学生たちが住民とともにワークショップを重ねて、プラン作りから公園整備、そしてオープンイベントまで携わった。

〇ウルトラCの区画整理とは何か? 魅力的な街を築くという強い信念で区画整理事業という都市計画事業を使いこなす。作山氏はこれまで関わってきた区画整理事業で街の提案をして、辛抱強く説得して、実現に向けて取り組んできた。当日の塾ではこうした経験をざっくばらんにお話していただいた。詳細は、オンライン講座の映像を参照されたい。

〇 各事業に見るウルトラCの素。(当日の資料からビックアップ)

・新潟県旧小出町区画整理事業(6.3ha)は、調査から10年、事業認可から7年で事業終了した。2年半の現場体験を積んで、河川改修工事、国道整備などの大きな公共施設整備と個々の地権者との生活再建の話し合いを重ねてきた経験をする。

・柏の葉キャンパス構想では、立ち上げの時から関わり、タウンマネジメントで街を育てていく過程に携わる。まちづくりの規制をかけることで、個々の建築行為等をコントロールでき、土地の価値が高まった。

・東松戸駅前土地区画整理事業 リーマンショックの打撃を受けた巨額の赤字予想の事業を駅前広場の廃止などをする大胆な見直しを行い、事業収支や期間短縮を手掛けた。

・北九州市大里地区門司駅舎周辺整備では、シンボリックな駅舎や駅前通りを実現した。駅舎などを土木工事でやるとかなり武骨な感じになるが、建築的に取り組むとシャープなデザインが創出できる。

・日立市日立駅自由通路及び駅周辺地区デザインコンペでは企画から携わり、シンボリックな表情をもつ建築の実現に関わった。

〇上尾市大谷北部第4工区区画整理事業(組合施行)

区画整理事業前に住宅団地などが既に整備されていた個所を穴抜きにして事業区域内に取り込む、公園上部に調整池を設けるなどして、土地所有者等の負担を少なくすることで事業の進捗を早めることができた。

・地元住民の意向を大事にしながらも、新住民への理解も重要だということをワークショップなどのイベントを通じて、積み上げていく。

8つの公園を特徴のあるものにして、繋げる。(現在は7つまで完成)

公園の設計は、つくたまの会員である高間譲二氏(アーバンナウ)が担当して、おしゃれな質の高いデザインにしている。

地元住民と学生たちによる公園づくりワークショップ、完成時にはオープンイベントを開催して、住民たちに利用法などのデモンストレーションなどもした。

現在、この区画整理地内の保留地は大手のハウスメーカーが取得してくれて、質の高い住宅供給をしている。

 

・ゲートボール公園の天然芝については、市役所担当は嫌がったが、利用する高齢者たちが管理をすることで実現した。また、唯一のトイレをニーズの高い高齢者のために設置した。

・健康器具がたくさん置いてある公園では、使い方について丁寧に説明して、ようやく実現できた。人工芝があるので、子育てには好評である。

都市は生きている。時代時代の状況を把握して、進行形のまちづくりをリードしていくのが都市プランナーの役割なのかと思った。

 

・講座の後、現地に行ってみた。それぞれは特徴的な公園づくりをしている。フェンスや柵を少なくした外周のなじみやすさ、カーブを描いた板張り状のごみ置き場、低い位置の照明器具、防犯カメラの設置など。公園を意識した住宅が建てられており、これからの景観形成が楽しみだ。

(文責:若林祥文)

 

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