5月つくたま塾「まちを面白くしたい!~さいたまで探し育てた挑戦の軌跡と未来予想図~」

つくたま塾 2016年5月11日 19時~21時00分の記録本人

◎講師:佐藤真実さん(granew design 代表/NPO法人 near design 代表理事

◎参加者:22名

◎場所:まちライブラリー@ゆずり葉

◎タイトル:「まちを面白くしたい!~さいたまで探し育てた挑戦の軌跡と未来予想図~

配付資料(PDFファイル、約3.7MB)

DSC_0018・会場になった「ゆずり葉」はお茶の先生が端正に使ってきた木造2階建て住宅、現在は市民活動にも一部開放されている。参加者22名は、年齢差も性別も様々であった。
・佐藤さんは千葉県九十九里生まれ。絵を描くのが大好きな少女だったという。高校の時、「何かを作り出したい、人々に認められたい、役に立ちたい」という思いを持ち、アートからデザインへと志向を変え、京都の美大へ進学した。

・ 2008年から、さいたま市に在住。お話はこれまでの生き方を区切りながらしていただいた。NPO的な活動と企業経営的な仕事のバランスを取りながら、活 動をしている。そんな佐藤さんは今、話を聞きたい一人だ。5月28日に開催されたシカテ一畳マーケットの準備でお忙しい時期にお話をしていただいた。
・以下の、章立ては佐藤さんが当日使用したパワーポイントの構成をそのまま使った。

第1章 (2011年~2012年)「サポセン、市民活動との出会い。会社から地域に飛び出す勇気があった」
・ 職場をいくつか変えながら、2010年に武蔵浦和駅の駅ビルの管理会社に就職。駅ビルで、地元の方々に働きかけることを企画した。この時に、サポセンなど を訪ね、生越さん(さいたまNPOセンター)たちに出会った。当時は「街コン(飲食店を数店舗貸し切って行う地域活性型の大規模合同コンパ)」が流行った 頃で、駅ビル内ではできなかったが駅周辺の飲食店で行い700人以上の人々が集まった。宇都宮の商店街の取り組みを参考にした。
・2012年に、near design(ニアデザイン)を設立した。また、個人的に仕事を受けるgranew design(グラニューデザイン)も設立し、独立した。
・佐藤さんは、市民活動にありがちな無償の働きを避ける。支援していただいた方にはフォローをする、義理を忘れない、仕事に係る相互の信頼関係を基にした交流を形にすることにこだわる。

第2章 (2013年~2014年)「地域情報誌の自主発行とクラウドファンディング/カフェの魅力」様子2
・情報紙「かいわい」を共同出資して制作、2000部発行をするためにクラウドファンディングFAAVO埼玉を使い、10万円目標で、112,000円集まった。
・クラウドファンディングを使った効果として、様々なメディアに取り上げられた、知名度が上がり、広告費をとれるようになった。
・ 次に、浦和駅近くの商店街にある「小松屋」を2014年秋から、取り組んだ。1階がお店、2階が住居スペースだったが、まず掃除を行った。高校生たちも支 援者になり、掃除をして、そうした経緯を適宜情報発信した。企画として、情報発信、販売促進、女性の就労支援、世代交流を挙げたが、主催者と意見があわな くなり、最終的にnear designは撤退した。
・北区にある障害者就労支援施設いーはとーぶが開催した「つなごうパレード」の手伝いをした際、佐藤さんはコーヒーの淹れ方を学び出店する。香り、人が集まれば何かが動く、そのためにはコーヒーが良い効果があり、そのすごさを知った。

第3章(2015年)
●6年住んでいる鹿手袋地区には、ヘルシーカフェのら、BABAラボなどがある。普段はあまり利用されていない鹿手袋会館(自治会管理)で高齢者や乳幼児を育てている若いお母さんや新しい住人たちが気楽に集まれるお茶会「シカテカフェ」を月1開催ではじめた。
・参加者は3人から始まり、現在は50人ぐらいが集まっている。自治会の方々とも交流ができ、その後、西地区社会福祉協議会と共催して実施。これにより鹿手袋会館の使用料が工面できることになった。
・やるからには楽しくやりたい。
シカテマーケット●住宅地にある倉庫で、シカテ一畳マーケットの実施。
・ この倉庫を経営している会社は地域貢献を掲げていたが、何かをすることが決まっていなかった。たまたま、佐藤さんがマーケットをしたいという企画を1日で 書き上げ、突撃訪問して提案した。一度やりましょうとなったが、その後すぐに断りの返事が来た。この倉庫は医療関係の物品を扱うのだが、衛生面について、 トイレが使えない、そして、事故の際の責任問題を心配された。鹿手袋会館にあるのでトイレはそちらを使えばいい、食べ物関係イベントはもそちらでやる、最 終的な責任は佐藤さんがとるという提案を再度伝えたところ、1か月遅れて開催できた。
・実施体制:当日までの事務局スタッフは佐藤さん1人。当日は10人ぐらいの助っ人。
・鹿手袋という地名からイメージした「シカ」のキャラクターを使い、いろいろな表現で広告をした。Tシャツ、てぬぐい、ポスターなど。
・倉庫会社が欲していることは求人なので、求人広告をイベントチラシに掲載することでバーターにしてもらった。

第4章 現在
・鹿手袋地区で更に多様な活動を行いながら、ゆずり葉で正月のおもちを食べる集まり、佐藤真実にランチをご馳走してなんでも相談できる会などを着手している。
●「街も人も、簡単には変わらないし、死なない。だから、私は、今やりたいことをやる。」
・いろいろなアイデアを実現させていく。少しづつ新たな試みを加えていく。
・失敗を恐れていることが力になる。
(文責・若林祥文)

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